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大口仕入先や大口販売先など主要取引先にはM&A検討の事実をいつ情報開示すればよいでしょうか?

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相談の背景

M&Aで会社の売却を検討しています。

質問

大口仕入先や大口販売先など主要取引先にはM&A検討の事実をいつ情報開示すればよいでしょうか?

回答

主要取引先との取引契約書にチェンジオブコントロール条項がなければ、M&A取引後(資金決済後)に早急に情報開示すれば良いと考えます。

ただし、取引契約書を締結していない先やチェンジオブコントロール条項のない先であっても、取引期間や取引内容、取引金額を含め、M&Aが双方に及ぼす影響を勘案して、道義的に事前(例えばM&A契約後で資金決済前など)に情報開示した方がM&A後の取引に影響を及ぼさないケースもあると思われます。

チェンジオブコントロール条項(Chenge of Control:COC)とは、M&Aなどで支配権(Control)が変更(Chenge)する場合、すなわちM&Aなどで経営権が移動する場合に契約当事者に事前または事故に通知することを求めたり、取引契約を解除することができたりする条項です。資本拘束条項ともいいます。

チェンジオブコントロール条項で経営権の変更に際して、事前の通知義務が規定されている場合には、事前に契約先(取引先)に対して確認する必要があります。
買い手候補先が、契約先と競合関係にあったり、信用力に懸念のある場合には、M&A後に売却対象企業と契約先の取引が継続できなくなったり、取引条件の変更を求められたりして、M&A後の事業運営に大きな影響がでることも推察されます。

回答者
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三村尚(みむらひさし)
M&Aアドバイザー
M&Aシニアエキスパート。香川県高松市生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、百十四銀行、帝国データバンク勤務。2012年より、みどり合同税理士法人グループ勤務。延べ2,000社の企業評価を行った経験を活かし、M&Aを中心とした事業承継サポート、経営コンサルを行う。これまでに40件超のM&A取引の支援実績あり。

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