相談の背景
会社売却を検討している経営者です。
発行株式の90%以上を保有する株主でもあります。
先代経営者の親族や元従業員など、現在は経営に関わっていない少数株主(※)が複数名います。
※本件相談の「少数株主」は、「当該株主単独では会社の経営権を握れない株式を有する株主」の意味です。
質問
少数株主に会社売却を検討していることを明かさずにM&Aで会社を売却することは可能でしょうか?
回答
株式売却にせよ事業売却にせよM&Aのような会社にとって重要な決定を行う場合には、全ての株主に事実を知らせる必要があります。
株主に隠してM&Aで会社や事業を売却することは難しいと思われます。
会社の経営に関わっていない少数株主だとしても、急に事後報告で「会社を売却するのであなたの保有株式を売ってください」といわれると良い気がしないのではないでしょうか?
事前に株式の買い取りを行うか、M&Aの検討を明かして協力を要請するか、少数株主の感情や会社に対する思い入れなどに配慮しながら、慎重に少数株主への対応方法を考える必要があると思われます。