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  • 主要株主が反対している状態で会社売却を進めることはできるのでしょうか?また賛成株主の保有する一部株式のみの売却は可能でしょうか?

主要株主が反対している状態で会社売却を進めることはできるのでしょうか?また賛成株主の保有する一部株式のみの売却は可能でしょうか?

更新日:

相談の背景

会社売却を検討している経営者です。創業者である取締役会長(父)が40%、代表取締役社長の私が60%の株式を保有しています。

後継者不在のためM&Aによる会社売却を検討しているのですが、父がM&Aによる他者への売却などあり得ないと売却に大反対しています。

質問

父が売却に反対した状態で会社売却を進めることや私の株式(持ち分60%)のみを売却することはできるのでしょうか?

回答

結論から言うとM&Aによる会社売却を進めること、相談者が保有する一部株式のみを売却することは難しいと考えます。

理由は主に以下の2つです。
(1)中小零細企業は株式譲渡制限を設けていることが多く、一定以上の決定権限を持つ株主や取締役が株式譲渡に反対している場合には、株式の所有者の意思のみでは売却ができないため。
(2)M&Aに反対している株主がいる会社(要するにトラブルを抱えている会社)を買収したい買い手は非常に少ないため。

今回のケースですと、相談者である代表取締役社長の独断ではM&Aを決定できないため、創業者である会長を説得するか、会長の株式を社長や会社が譲り受けることで会長を意思決定者から外すことが考えられます。

回答者
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三村尚(みむらひさし)
M&Aアドバイザー
M&Aシニアエキスパート。香川県高松市生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、百十四銀行、帝国データバンク勤務。2012年より、みどり合同税理士法人グループ勤務。延べ2,000社の企業評価を行った経験を活かし、M&Aを中心とした事業承継サポート、経営コンサルを行う。これまでに40件超のM&A取引の支援実績あり。

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