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M&Aで事業を売却する際のアドバイザーの選び方について教えてください。

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相談の背景

M&Aで事業を売却しようと考えています。

M&A専門会社、金融機関、コンサルティング会社など、最近では色々なM&Aアドバイザーがいるようでどこに頼めばよいのか迷っています。

質問

M&Aで事業を売却する際のアドバイザーの選び方について教えてください。

回答

質問者が売却する事業の売上規模、業種、エリアに合った経験豊富なM&Aアドバイザーを選ぶことが大切です。

売上規模を大まかに1億円以下(スモール)、1~10億円(ミドル)、10億円以上(ビッグ)に分けます。
売上規模10億円以上(ビッグ)は、上場しているM&A専門会社のうち、日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズなどが得意としており、エリアも全国で対応しています。
売上規模で受注を選別されるわけではありませんが、最低報酬が1,000万円以上となるため、売上規模の小さい会社は手数料の負担が非常に重くなる可能性が高いです。
また、このクラスは、基本的に中小案件の対応はしないメガバンクや証券会社などのM&A部門も対応してくれることがあります。

売上規模1~10億円(ミドル)は、上場しているM&A専門会社でも前述3社より規模の小さい名南M&A、オンデックや上場していない中堅クラスのM&A専門会社が得意としています。

スモールM&A専門でない限り、M&A業務を行っているという会社であれば、売上規模1~10億円の案件はほぼ対応可能と思われます。
中堅クラスのM&A専門会社は、全国対応できることは少なく、得意エリア(概ね本店所在地近隣や全国主要都市)が偏っていることが多いので、売り手が所在しているエリアに強いM&A専門会社を選ぶ必要があります。
また、このミドルクラスは、地方銀行や信用金庫など地方金融機関のM&A部門も対応してくれます。

売上規模1億円以下(スモール)は、地場の会計事務所系M&A会社やM&Aに強い会計士・税理士、個人M&Aアドバイザーなどが対応しています。
以前はスモールM&Aに対応してくれるM&Aアドバイザーは数が少なかったのですが、最近ではM&A会社から独立した個人M&Aアドバイザーなどが徐々に増えており、スモールM&Aに対応してくれるアドバイザーも増えています。

買収候補企業(買い手)を探す力も重要です。大手M&A会社は、過去の実績によって全国の買い手候補企業を数多く知っています。
ただし、大手M&A会社が知っている買い手は売上規模の大きい先が多く、地方の売上規模が小さい優良な買い手を全て網羅しているわけではありません。
地方の優良な買い手は、地域密着のM&A会社や地方金融機関の方が網羅している可能性が高いです。
また、最近ではインターネットを活用したM&Aマッチングサイトを使い、全国から買い手を探すことも可能となっています。

M&A業界は2010年頃から急成長した業界で歴史が浅く、経験の浅いM&Aアドバイザーも少なくありません。
M&Aアドバイザーと面談する際、M&Aの経験年数と経験件数、どのような業界の取引に関わったか、買い手候補企業をどのように探すかなどを質問し、経験豊富なアドバイザーを選んでください。

回答者
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三村尚(みむらひさし)
M&Aアドバイザー
M&Aシニアエキスパート。香川県高松市生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、百十四銀行、帝国データバンク勤務。2012年より、みどり合同税理士法人グループ勤務。延べ2,000社の企業評価を行った経験を活かし、M&Aを中心とした事業承継サポート、経営コンサルを行う。これまでに40件超のM&A取引の支援実績あり。

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