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M&Aで会社を売却することを従業員にはいつ情報開示すればよいでしょうか?

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相談の背景

M&Aで会社を売却予定のオーナー経営者です。
売却スキームは、株式売買取引で法人そのものを譲渡します。

質問

M&Aで会社を売却することを従業員にはいつ情報開示すればよいでしょうか?

回答

M&A取引が終わった後(クロージング=資金決済が終わった後)に情報開示することが一般的です。
苦楽を共にしてきた従業員に対して事後報告することが道義的に許されないと考えて、なるべく早い段階で従業員に情報開示したいとオーナー経営者から相談されるケースも多くあります。

ただし、従業員に対して事前に情報開示を行うと秘密漏えいのリスクが高まります。
実際にM&Aで会社を売却することを従業員に対して事前に情報開示したことで、秘密漏えいによる風評被害で業績が悪化した事例があります。
また、従業員が不安に思って退職したことでM&A取引が上手く進められなくなった事例もあります。

特に秘密で進めているM&A取引の場合は、M&A取引が終わった後、従業員にM&Aの事実を開示することをおすすめしています。
なお、キーマン(従業員取締役、営業責任者など)となるM&A後に離職されると業績に与える影響が大きい従業員に対しては、他の従業員より先に情報開示をするなどの配慮をする場合もあります。

回答者
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三村尚(みむらひさし)
M&Aアドバイザー
M&Aシニアエキスパート。香川県高松市生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、百十四銀行、帝国データバンク勤務。2012年より、みどり合同税理士法人グループ勤務。延べ2,000社の企業評価を行った経験を活かし、M&Aを中心とした事業承継サポート、経営コンサルを行う。これまでに40件超のM&A取引の支援実績あり。

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