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同一会社で複数事業を営んでいる中の赤字の建設部門をM&Aで売却することは可能でしょうか?また、より高く売却するにはどのような方法があるでしょうか?

更新日:

【相談の背景】
同一会社で複数の事業を営んでいますが、不採算となっている建設事業から撤退しようと考えています。

建設部門は赤字ですが、トラックや建設重機などの中古でも比較的高額で売却できる車両を保有しています。また、現場監督のできる施工管理技士や重機オペレーターも在籍しています。

【質問】
赤字の建設部門をM&Aで売却することは可能でしょうか?またより高く売却するにはどのような方法があるでしょうか?

【回答】
赤字の建設部門をM&Aで売却することは可能と考えます。
同一会社の複数事業のうち、一部門(建設部門)のみを売却するということなので、事業譲渡スキームでの取引が想定されます。
赤字であれば営業権(のれん)がつく可能性は低く、譲渡対象資産(トラックや建設重機などの車両ほか)の時価が事業譲渡対価(売買取引金額)になると考えられます。

今回の相談は、建設事業から撤退が目的のため、売り手が建設部門に所属する社員を解雇(買い手への移籍も含む)する可能性が高いケースです。
施工管理技士や重機オペレーターは人材が不足しているため、買い手が建設部門の資産と共に引き受けたいと考えている可能性は高く、買い手が欲しいと思う有能な売り手社員の移籍の同意を取り付けることで営業権(のれん)を事業譲渡対価に上乗せすることが考えられます。

また、買い手が建設業を営んでおらず、建設業許可が欲しいと考えている場合には、時間と費用は掛かりますが、建設部門を会社分割によって分社し、法人化した建設部門を株式売買で売却する会社分割スキームも検討できます。
買い手が新たに建設業許可を取得する手間(時間、費用)を営業権(のれん)と考え、譲渡対価の上乗せを得られる可能性があります。

相談の背景

同一会社で複数の事業を営んでいますが、不採算となっている建設事業から撤退しようと考えています。

建設部門は赤字ですが、トラックや建設重機などの中古でも比較的高額で売却できる車両を保有しています。また、現場監督のできる施工管理技士や重機オペレーターも在籍しています。

質問

赤字の建設部門をM&Aで売却することは可能でしょうか?またより高く売却するにはどのような方法があるでしょうか?

回答

赤字の建設部門をM&Aで売却することは可能と考えます。
同一会社の複数事業のうち、一部門(建設部門)のみを売却するということなので、事業譲渡スキームでの取引が想定されます。
赤字であれば営業権(のれん)がつく可能性は低く、譲渡対象資産(トラックや建設重機などの車両ほか)の時価が事業譲渡対価(売買取引金額)になると考えられます。

今回の相談は、建設事業から撤退が目的のため、売り手が建設部門に所属する社員を解雇(買い手への移籍も含む)する可能性が高いケースです。
施工管理技士や重機オペレーターは人材が不足しているため、買い手が建設部門の資産と共に引き受けたいと考えている可能性は高く、買い手が欲しいと思う有能な売り手社員の移籍の同意を取り付けることで営業権(のれん)を事業譲渡対価に上乗せすることが考えられます。

また、買い手が建設業を営んでおらず、建設業許可が欲しいと考えている場合には、時間と費用は掛かりますが、建設部門を会社分割によって分社し、法人化した建設部門を株式売買で売却する会社分割スキームも検討できます。
買い手が新たに建設業許可を取得する手間(時間、費用)を営業権(のれん)と考え、譲渡対価の上乗せを得られる可能性があります。

回答者
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三村尚(みむらひさし)
M&Aアドバイザー
M&Aシニアエキスパート。香川県高松市生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、百十四銀行、帝国データバンク勤務。2012年より、みどり合同税理士法人グループ勤務。延べ2,000社の企業評価を行った経験を活かし、M&Aを中心とした事業承継サポート、経営コンサルを行う。これまでに40件超のM&A取引の支援実績あり。

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