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就業規則と就業実態が合っていない場合にはどのように対応すればよいですか?

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相談の背景

M&Aで会社の売却を検討しています。

M&Aアドバイザーから事前準備資料として就業規則の提出を求められました。

就業規則の内容を確認したところ、長年改定していなかったこともあり、実際の就業状況と乖離している点があります。

質問

M&Aを検討する中で事前準備として、就業規則と就業実態が乖離している場合にはどのような対応が必要でしょうか?

回答

長年就業規則を改定していなかったのであれば、そもそも自社の就業規則が労働関係法令に違反していないか確認しなければなりません。
その上で就業規則と就業実態の乖離がないように是正する必要があります。

ただし、労働者に対して不利益となる就業規則の変更を行う場合には、労働者の同意が必要となるため注意が必要です。
例えば、就業規則では週休二日となっているにも関わらず、実態はそれが守られておらず就業規則を改悪する(週休一日にする)ようなケースです。

なお、就業規則は労働者に周知されていなければなりません。労働基準法による周知の方法とは、「常時確認できる場所(掲示板、休憩所など)に掲示する」「書面で交付する」「データで共有する」などです。
就業規則が周知されていない場合には労働基準法違反となり、30万円以下の罰金が科せられます。

また、M&Aの売買対価(株価)の交渉を行う際、未払い残業代の有無が売買対価に影響する場合があります。
買収監査において、従業員の勤務実態(出退勤記録)と支払い済み給与を精査し、未払い残業が発生している場合には未払い残業代を簿外債務と考えて売買対価(株価)から差し引かれる可能性があります。
普段からサービス残業などが発生しないように目を配り、想定外の未払い残業代の発覚で売買対価を引き下げられないよう注意しましょう。

回答者
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三村尚(みむらひさし)
M&Aアドバイザー
M&Aシニアエキスパート。香川県高松市生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、百十四銀行、帝国データバンク勤務。2012年より、みどり合同税理士法人グループ勤務。延べ2,000社の企業評価を行った経験を活かし、M&Aを中心とした事業承継サポート、経営コンサルを行う。これまでに40件超のM&A取引の支援実績あり。

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