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M&Aで買収した建物の火災保険契約に不備があり保険支払金が減額された事例

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トラブルの内容

M&Aで買収した建物の火災保険契約に不備があり保険支払金が減額された事例です。

M&Aで買収した建物は買収前に増築されていましたが、増築部分は未登記で保険契約も付保されていない状態でした。なお、売り手は増築部分の登記を失念しており、買い手は買収監査(デューデリジェンス)で未登記および無保険に気付いていませんでした。

買収後、対象建物に火災が発生して保険金を請求する過程で増築部分が無保険となっていたことが発覚し、増築部分については保険会社から保険金が支払われませんでした。

買い手は表明保証違反で売り手の責任を主張、売り手は買収後の確認不足として買い手の責任を主張し、トラブルになってしまいました。

トラブル回避策

本件の買収監査(デューデリジェンス)は買い手の顧問税理士が実施していましたが、M&Aに関する買収監査の経験が浅く、不動産や保険契約の確認が不足していたようです。

なお、税理士や会計士が行う買収監査(デューデリジェンス)は、一般的に財務デューデリジェンスや税務デューデリジェンスであり、不動産や保険契約の詳細をチェックすることはそもそも専門外とも言えます。

中小零細企業のM&Aの場合、買収監査にかける費用は多くないため、財務デューデリジェンスが中心になることはやむを得ませんが、財務以外の法務、労務、不動産などのアドバイスももらえるM&A取引の経験豊富な専門家の利用をおすすめします。

注意喚起

この投稿は、2022年6月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

回答者
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三村尚(みむらひさし)
M&Aアドバイザー
M&Aシニアエキスパート。香川県高松市生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、百十四銀行、帝国データバンク勤務。2012年より、みどり合同税理士法人グループ勤務。延べ2,000社の企業評価を行った経験を活かし、M&Aを中心とした事業承継サポート、経営コンサルを行う。これまでに40件超のM&A取引の支援実績あり。

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