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M&Aで買収した会社が保有する不動産(土地)の登記面積と実測面積が大きく相違していた事例

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トラブルの内容

地方の運送会社が近隣の同業者を株式売買で買収した案件。

買収対象会社(売り手)が所有していた不動産(土地)について、実測面積が登記面積より狭かったことがM&A後に判明した事例です。

M&A後に買収対象会社の運行車両台数を増やすため、許認可の変更申請の準備を進めていました。
土地の面積を測量したところ、実測面積が登記面積より大幅に狭く、計画していた運行車両台数には土地の面積が不足していることが判明したため、増車計画の縮小を余儀なくされました。

トラブル回避策

不動産の重要度が大きい事業を買収する場合には、買収監査などの際に不動産の調査を入念に行う必要があります。

多少の費用は掛かりますが、測量士に依頼して実測することが正確です。
ただし、今回の事例では実測面積と登記面積の乖離が大きかったため、買い手自身がメジャーを使って簡易に面積を試算することでも相違に気付いたと推察されます。

地籍調査が行われていない地域では、土地の登記面積と実測面積が乖離していることがあります。
実測面積が登記面積より広い場合には、大きな問題とならないかもしれませんが、今回の事例のように実測面積が登記面積より狭い場合には、トラブルに発展する可能性があります。

注意喚起

この投稿は、2022年6月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

回答者
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三村尚(みむらひさし)
M&Aアドバイザー
M&Aシニアエキスパート。香川県高松市生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、百十四銀行、帝国データバンク勤務。2012年より、みどり合同税理士法人グループ勤務。延べ2,000社の企業評価を行った経験を活かし、M&Aを中心とした事業承継サポート、経営コンサルを行う。これまでに40件超のM&A取引の支援実績あり。

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